実家を相続したら最初にやるべき5つのこと【放置厳禁】

この記事の結論
実家を相続したら、まず「3ヶ月以内」に相続放棄の要否を判断し、「3年以内」に相続登記を完了させる必要があります(相続登記義務化、2024年4月施行)。初動対応を誤ると、10万円以下の過料や固定資産税の負担増(住宅用地特例の解除)などのリスクがあります。本記事では、不動産鑑定士の視点から、実家相続で「最初にやるべき5つのこと」を時系列で解説します。
実家を相続したら、何から手をつければいい?
初めての相続で多くの人が感じる不安
実家を相続すると、多くの方が以下のような不安を抱えます。
- 何から手をつければいいかわからない
- 期限があるらしいが、間に合うのか
- 専門用語が多く、理解できない
- 誰に相談すればいいかわからない
相続は人生で何度も経験するものではありません。手続きの流れや優先順位がわからず、途方に暮れてしまうのは当然のことです。
相続登記義務化で「放置」できない時代に
2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。これにより、実家を相続したら放置することはできなくなりました。
相続登記義務化の主なポイント:
- 相続を知った日から3年以内に登記申請が義務化
- 正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料
- 過去の相続も対象(2027年3月末までに登記が必要)
これまで「実家の名義変更は後回しでいいや」と考えていた方も、法改正により対応が必要になっています。
この記事で解決できること
本記事では、実家相続の初動対応について、以下の内容を解説します。
- 実家相続の全体の流れと優先順位
- 最初の1週間、3ヶ月、1年でやるべきこと
- 自分でできる範囲と専門家に依頼すべき範囲
- 放置した場合のリスクと対策
時系列に沿って「何を」「いつまでに」やるべきかを明確にすることで、不安を解消し、確実に手続きを進められるようになります。
実家を相続したら最初にやるべき5つのこと
実家を相続したら、以下の5つのステップを時系列で進めていきましょう。
1. 遺言書の有無を確認する(最初の1週間)
なぜ最初に確認すべきか
遺言書の有無によって、その後の手続きが大きく変わります。遺言書があれば、基本的にその内容に従って遺産を分けることになります。一方、遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
また、自筆証書遺言や秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認手続きが必要です。検認前に開封してしまうと、5万円以下の過料が科される可能性があります。
確認方法
遺言書は以下の場所で確認します。
自宅での確認:
- 金庫や貴重品ボックス
- 仏壇や神棚の引き出し
- 書斎の机やファイル
- 寝室のタンスやクローゼット
公的機関での確認:
- 公正証書遺言: 日本公証人連合会の遺言検索システム
- 自筆証書遺言: 法務局の自筆証書遺言保管制度(2020年7月開始)
公正証書遺言や法務局に保管された遺言書は、全国どこの公証役場や法務局でも検索できます。
遺言書がない場合の実務的なポイント
遺言書がない場合、不動産の遺産分割協議が難航しやすいという課題があります。特に実家の場合、「誰が相続するか」「いくらの価値があるか」で意見が分かれることが多いためです。
実家の評価額が不明確だと、兄弟間で「自分がもらう財産が少ない」と感じる方が出てきて、感情的な対立に発展することがあります。早い段階で不動産会社の無料査定を受け、客観的な評価額を把握しておくことで、こうしたトラブルを避けられます。
2. 相続人を確定する(最初の2週間)
法定相続人の確認
相続手続きを進めるには、まず「誰が相続人なのか」を確定させる必要があります。法定相続人は、被相続人との関係によって以下のように決まります。
法定相続人の順位:
- 配偶者(常に相続人)
- 第一順位: 子(または孫、ひ孫)
- 第二順位: 父母(または祖父母)
- 第三順位: 兄弟姉妹(または甥、姪)
必要書類
相続人を確定させるには、以下の書類が必要です。
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 被相続人の住民票の除票
被相続人の戸籍謄本は、出生から死亡まで連続して取得する必要があります。転籍を繰り返している場合、複数の市区町村から取り寄せることになります。
実務上の注意点
戸籍謄本の取得には時間がかかります。窓口で直接受け取れる場合は即日ですが、郵送請求の場合は1〜2週間かかることもあります。
また、戸籍を確認して初めて、前妻との間に子がいることが判明するケースもあります。想定外の相続人がいると、その後の手続きが大きく変わるため、早めに確認することが重要です。
3. 相続放棄の要否を判断する(3ヶ月以内)
相続放棄の期限
相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。この期間を「熟慮期間」と言います。
期限を過ぎると、原則として相続放棄はできません。つまり、被相続人の借金も含めて、すべての財産を相続することになります。
相続放棄を検討すべきケース
以下のようなケースでは、相続放棄を検討した方がよい場合があります。
- 被相続人に多額の借金がある
- 実家が老朽化しており、管理費用や解体費用が負担になる
- 相続税の負担が大きく、支払えない
- 他の相続人とのトラブルに巻き込まれたくない
実家の価値がプラスかマイナスかを判断する
相続放棄を判断するには、実家の価値がプラスなのか、マイナスなのかを見極める必要があります。まずは相続財産の調査方法を参考に、財産全体を把握しましょう。
実家の価値を評価する際のポイント:
- 土地の評価額(路線価または固定資産税評価額)
- 建物の評価額(築年数、構造、状態による)
- 管理費用や固定資産税の年間負担額
- 将来的な解体費用(木造100万円〜、鉄筋200万円〜)
たとえば、土地の評価額が1,000万円でも、建物が老朽化しており解体費用200万円がかかり、相続税や固定資産税の負担が大きい場合、実質的にはマイナスになることもあります。
不動産会社の無料査定を受けるか、簡易的な評価を専門家に依頼することで、相続放棄すべきかどうかの判断材料が得られます。
相続放棄の注意点
相続放棄は「すべての財産」を放棄することを意味します。実家だけを放棄して、預貯金は相続する、ということはできません。
また、相続放棄をすると、次の順位の相続人に相続権が移ります。たとえば、子全員が相続放棄をすると、被相続人の父母や兄弟姉妹が相続人になります。トラブルを避けるため、相続放棄を検討する場合は、他の相続人とよく話し合うことが大切です。
4. 遺産分割協議を行う(10ヶ月以内が目安)
遺産分割協議とは
遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いを行います。これを「遺産分割協議」と言います。
遺産分割協議では、以下のことを決めます。
- 誰が何を相続するか
- 不動産をどのように分けるか
- 預貯金や有価証券の分配方法
協議がまとまったら、「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名・押印します。この協議書は、相続登記や銀行口座の解約手続きなどで必要になります。
不動産の分割方法
実家などの不動産は、現金のように簡単に分けることができません。以下の4つの分割方法があります。
1. 現物分割 実家を誰か1人が相続する方法です。他の相続人は、預貯金など別の財産を相続します。
メリット: シンプルで手続きが簡単 デメリット: 不動産の価値が大きい場合、他の相続人との間で不公平感が生じやすい
2. 代償分割 実家を相続した人が、他の相続人に金銭を支払う方法です。
メリット: 不公平感が少ない デメリット: 実家を相続する人に支払い能力が必要
3. 換価分割 実家を売却し、売却代金を相続人で分ける方法です。
メリット: 公平に分けられる デメリット: 売却に時間がかかる、売却費用がかかる
4. 共有 相続人全員で実家を共有する方法です。
メリット: 協議がまとまりやすい デメリット: 将来の売却や活用で全員の同意が必要になり、手続きが煩雑
共有名義は避けるべき理由
不動産の共有名義は、一見すると公平に見えますが、将来的に大きなトラブルの原因になります。
共有名義のリスク:
- 売却や賃貸には共有者全員の同意が必要
- 共有者の1人が死亡すると、その相続人が新たに共有者になり、権利関係が複雑化
- 固定資産税の支払いや管理責任が不明確になりやすい
たとえば、兄弟3人で実家を共有した場合、10年後に売却しようとしても、3人全員が同意しなければ売却できません。1人でも「売りたくない」と言えば、売却は不可能です。
また、共有者の1人が亡くなると、その配偶者や子が新たに共有者として加わります。世代を経るごとに共有者が増え、最終的には「誰が何%持っているのか」すらわからなくなるケースもあります。
実務上は、現物分割または換価分割を選択することを強く推奨します。
実家の評価額をどう決めるか
遺産分割協議では、実家の評価額をどう決めるかが重要なポイントになります。評価方法によって、金額が大きく変わるためです。
主な評価方法:
- 相続税評価額(路線価方式): 国税庁が定める路線価を基に計算。実勢価格の約80%が目安。
- 不動産会社の査定: 売却想定価格。無料で査定してもらえる。
- 不動産鑑定士の鑑定評価: 公的な評価額。費用は20〜40万円程度。
一般的には、不動産会社の査定額を参考にすることが多いですが、兄弟間で評価額について意見が分かれる場合は、不動産鑑定士の鑑定評価を依頼することで、客観的な評価額を示すことができます。
鑑定評価は費用がかかりますが、トラブルを避けるための「保険」と考えれば、決して高くはありません。
5. 相続登記を申請する(3年以内)
相続登記義務化の内容
2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。これにより、実家を相続したら、必ず登記申請を行う必要があります。
相続登記義務化の主なポイント:
- 相続を知った日から3年以内に登記申請が義務化
- 正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料
- 過去の相続も対象(2027年3月末までに登記が必要)
詳しくは法務省「相続登記の申請義務化」をご確認ください。
これまで放置されてきた相続登記も、今後は確実に行う必要があります。
必要書類
相続登記には、以下の書類が必要です。
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名・押印)
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人の住民票
- 固定資産評価証明書
遺産分割協議を行った場合は、協議書に相続人全員の実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。
登記費用
相続登記には、以下の費用がかかります。
- 登録免許税: 固定資産評価額の0.4%
- 司法書士報酬: 5〜10万円程度(実家1件の場合)
たとえば、実家の固定資産評価額が2,000万円の場合、登録免許税は8万円です。これに司法書士報酬を加えると、合計15万円前後が相場です。
自分でできる? 司法書士に頼むべき?
相続登記は、自分で行うことも可能です。法務局の窓口や公式サイトで、申請書の書き方や必要書類について相談できます。
自分でできる範囲:
- 法定相続分通りに相続する場合
- 相続人が1人の場合
- 時間に余裕があり、手続きを自分で調べられる場合
司法書士に依頼すべきケース:
- 遺産分割協議を行った場合
- 相続人が多い、または遠方に住んでいる場合
- 仕事が忙しく、手続きに時間を割けない場合
司法書士に依頼すれば、必要書類の取得から登記申請まで、すべて代行してもらえます。費用はかかりますが、確実に手続きを完了させたい場合は、専門家に依頼することを推奨します。
登記前に評価額を確認すべき理由
相続登記を完了させる前に、実家の相続税評価額を確認しておくことが重要です。
登記後に「評価額が想定より高く、相続税が払えない」というトラブルが発生するケースがあります。また、小規模宅地等の特例を適用できるかどうかによって、相続税額が大きく変わります。
登記前に税理士に相談し、相続税の概算と特例の適用可否を確認しておくことで、こうしたトラブルを避けられます。
不動産鑑定士が教える: 実家相続の実務ポイント
実家の価値を正確に把握する重要性
なぜ評価額の把握が重要なのか
実家の評価額を正確に把握することは、実家相続において最も重要なステップの1つです。評価額がわからないと、以下のような問題が発生します。
- 遺産分割協議で揉める(兄弟間で「誰がいくらもらうか」で意見が合わない)
- 相続税の概算がわからず、資金準備ができない
- 売却すべきか、維持すべきかの判断ができない
特に、実家の評価額が不明確なまま遺産分割協議を進めると、「自分は損をしている」と感じる相続人が出てきて、感情的な対立に発展することがあります。
評価額の調べ方
実家の評価額を調べるには、以下の3つの方法があります。
1. 相続税評価額(路線価方式) 国税庁の路線価図を使って、土地の評価額を計算する方法です。実勢価格の約80%が目安です。
メリット: 無料で調べられる デメリット: 建物の評価や個別的な要因(形状、接道状況など)は考慮されない
2. 不動産会社の査定 不動産会社に依頼して、売却想定価格を査定してもらう方法です。多くの不動産会社は無料で査定してくれます。
メリット: 無料、売却価格の目安がわかる デメリット: 会社によって査定額にばらつきがある
3. 不動産鑑定士の鑑定評価 不動産鑑定士に依頼して、公的な評価額を算定してもらう方法です。費用は20〜40万円程度です。
メリット: 客観的で信頼性が高い、裁判でも有効 デメリット: 費用がかかる
評価額の誤解がトラブルを生む
実家相続では、「親が昔、3,000万円で買った家だから、今も3,000万円の価値がある」と思い込んでいる方が多くいます。
しかし、実際には、築年数が経過すると建物の価値は大きく下がります。木造住宅の場合、築20年を超えると建物の価値はほぼゼロになり、土地だけの評価額になることが一般的です。
このような誤解があると、兄弟間で「実家を相続する人が得をしている」と感じる人が出てきて、トラブルに発展します。客観的な評価額を示すことで、こうした感情的な対立を避けることができます。
小規模宅地等の特例を活用する
特例の内容
小規模宅地等の特例は、被相続人と同居していた相続人が実家を相続する場合、土地の評価額を最大80%減額できる制度です。
特例の適用要件:
- 被相続人と同居していた相続人が実家を相続すること
- 相続税の申告期限(10ヶ月)まで保有・居住を継続すること
- 土地の面積が330平方メートルまで
詳しくは国税庁「小規模宅地等の特例」をご確認ください。
特例適用の具体例
たとえば、以下のようなケースで特例を適用できます。
- 土地の評価額: 5,000万円
- 特例適用後: 1,000万円(80%減額)
- 節税額: 約1,600万円(相続税率40%の場合)
この特例を適用できるかどうかで、相続税の負担が大きく変わります。
特例適用の可否を事前確認すべき
小規模宅地等の特例の適用要件は複雑で、特に「同居」の判定が難しいケースがあります。
同居の判定が難しいケース:
- 住民票は実家にあるが、実際には別の場所に住んでいる
- 二世帯住宅で玄関が別々になっている
- 介護施設に入所していた親の実家を相続する
このようなケースでは、税務署から特例の適用を否認されるリスクがあります。相続登記の前に税理士に相談し、特例の適用可否を確認しておくことを推奨します。
実家を売却するか、維持するか
判断基準
実家を相続したら、「売却するか、維持するか」を早めに判断する必要があります。
売却を検討すべきケース:
- 誰も住む予定がない
- 管理費用や固定資産税の負担が重い
- 相続税の支払いが必要
- 遠方にあり、管理が難しい
維持すべきケース:
- 将来的に自分や家族が住む予定がある
- 賃貸で収益が見込める
- 思い出の場所として残したい
実務上の注意点
実家を空き家にすると、固定資産税の住宅用地特例(1/6に減額)が解除され、税負担が最大6倍になるリスクがあります。
空き家対策特別措置法により、管理が不十分な空き家は「管理不全空き家」に指定され、住宅用地特例が解除される可能性があります。
売却・賃貸・管理のいずれかを早期に決断し、空き家のまま放置しないことが重要です。
ケース別: 実家相続の対応方法
ケース1: 遠方の実家を相続した場合
課題
- 現地に行く時間がない
- 定期的な管理が難しい
- 近隣住民とのコミュニケーションが取れない
対応策
オンラインで手続きを進める:
- 戸籍謄本や住民票は郵送請求が可能
- 司法書士に登記手続きを依頼(郵送対応可)
- 不動産会社とオンラインで売却相談
空き家管理サービスを利用する:
- 月1〜2万円で定期的な見回りや通気を代行
- 郵便物の転送、庭の草刈りなども依頼可能
早期に売却を検討する:
- 遠方の実家は管理が難しいため、早期売却も有力な選択肢
- 不動産会社の無料査定を受け、売却価格を確認
ケース2: 兄弟姉妹が複数いる場合
課題
- 誰が実家を相続するか決まらない
- 不動産の評価額で意見が合わない
- 感情的な対立が生じやすい
対応策
遺産分割協議の前に評価額を把握する:
- 不動産会社の査定または不動産鑑定士の鑑定評価を依頼
- 客観的な評価額を示すことで、感情的な対立を避ける
代償分割または換価分割を検討する:
- 代償分割: 実家を相続する人が他の相続人に金銭を支払う
- 換価分割: 実家を売却し、売却代金を分ける
専門家に相談する:
- 協議が難航しそうな場合は、弁護士に相談
- 税務面については税理士に相談
- 評価額について意見が分かれる場合は不動産鑑定士に相談
ケース3: 実家が空き家になっている場合
課題
- 管理が大変
- 固定資産税の負担が重い
- 防犯上のリスクがある
対応策
早期に売却・賃貸・管理のいずれかを決断する:
- 売却: 誰も住む予定がない場合は早期売却を検討
- 賃貸: 立地が良ければ賃貸収入を得られる
- 管理: 将来住む予定がある場合は空き家管理サービスを利用
空き家バンクへの登録を検討する:
- 自治体が運営する空き家バンクに登録すると、移住希望者とマッチングできる
- 売却や賃貸の可能性が広がる
住宅用地特例の解除に注意する:
- 管理不全空き家に指定されると、固定資産税が最大6倍になる
- 定期的な見回りや通気を行い、適切に管理する
よくある質問(FAQ)
Q1. 相続登記をしないとどうなりますか?
A: 2024年4月1日以降、相続を知った日から3年以内に登記申請が義務化されました。正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、登記をしないと、実家を売却したり、担保に入れたりすることができません。
Q2. 相続登記は自分でできますか?
A: 法定相続分通りに相続する場合、または相続人が1人の場合は、自分で登記することも可能です。ただし、遺産分割協議を行った場合、相続人が多い場合、遠方の不動産を相続した場合は、司法書士に依頼することを推奨します。費用は5〜10万円程度です。
Q3. 実家を相続したくない場合はどうすればいいですか?
A: 相続放棄を検討してください。相続開始を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。ただし、相続放棄は「すべての財産」を放棄することになるため、預貯金など他の財産も相続できなくなります。
Q4. 兄弟間で実家の評価額について意見が合いません。どうすればいいですか?
A: 不動産鑑定士による客観的な評価を取得することを推奨します。不動産鑑定士は国家資格を持つ不動産評価の専門家で、公的な評価額を算定できます。不動産会社の無料査定(売却価格の目安)と、不動産鑑定士の鑑定評価(公的な評価額)を組み合わせることで、より客観的な判断が可能になります。感情的な対立を避けるため、早期に専門家に相談することが重要です。
Q5. 相続税はいくらからかかりますか?
A: 相続税は、遺産総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合にかかります。例えば、法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円です。実家の評価額が4,200万円以下であれば、相続税はかかりません。
Q6. 小規模宅地等の特例は誰でも使えますか?
A: 被相続人と同居していた相続人が実家を相続する場合、または「家なき子」特例(賃貸住宅に住んでいる相続人)が適用される場合に利用できます。適用要件は複雑なため、税理士に相談することを推奨します。
Q7. 実家を売却する場合、相続登記は必要ですか?
A: はい、必要です。不動産を売却するには、まず相続登記を完了させ、相続人の名義にする必要があります。登記せずに売却することはできません。
Q8. 相続放棄の期限(3ヶ月)を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
A: 原則として、相続放棄はできません。ただし、「相続財産の存在を知らなかった」などの正当な理由がある場合、期限を過ぎても家庭裁判所が受理する可能性があります。弁護士に相談してください。
Q9. 遺産分割協議はいつまでに終わらせる必要がありますか?
A: 法的な期限はありませんが、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)までに終わらせることを推奨します。遺産分割が未了の場合、小規模宅地等の特例が適用できず、相続税の負担が大きくなります。
Q10. 実家の固定資産税は誰が払うのですか?
A: 相続登記が完了するまでは、相続人全員が連帯して納税義務を負います。遺産分割協議で「誰が実家を相続するか」を決めた後は、その相続人が固定資産税を支払います。
まとめ
実家を相続したら、以下の5つを時系列で進めましょう。
- 遺言書の有無を確認(最初の1週間): 公正証書遺言の検索、法務局の保管制度を確認
- 相続人を確定(最初の2週間): 被相続人の戸籍謄本を取得、想定外の相続人がいないか確認
- 相続放棄の要否を判断(3ヶ月以内): 実家の価値がプラスかマイナスか、簡易査定で確認
- 遺産分割協議を行う(10ヶ月以内が目安): 不動産の評価額を把握し、共有名義を避ける
- 相続登記を申請(3年以内): 相続登記義務化により、期限内に登記を完了させる
不動産鑑定士の視点から:
- 実家の評価額を正確に把握することで、兄弟間のトラブルを避ける
- 小規模宅地等の特例を活用し、相続税を大幅に節税
- 共有名義を避け、現物分割または換価分割を選択
実家相続は、初動対応が重要です。放置すると、10万円以下の過料や固定資産税の負担増(住宅用地特例の解除)などのリスクがあります。不明点があれば、早めに専門家(司法書士、税理士、不動産鑑定士)に相談することを推奨します。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスを行うものではありません。相続に関する具体的な判断は、必ず税理士、弁護士、司法書士などの専門家にご相談ください。


