実家の相続

実家を売却する流れと費用:相続後の売却完全ガイド【2025年最新版】

実家を売却する流れと費用:相続後の売却完全ガイド【2025年最新版】
公開: 2025-11-25

この記事の結論

相続した実家を売却するには、①相続登記 → ②査定・媒介契約 → ③売却活動 → ④売買契約 → ⑤決済・引き渡し → ⑥確定申告の6ステップが必要です。

売却価格3,000万円の場合、費用の目安は以下の通りです。

  • 仲介手数料: 約105万円(3%+6万円+消費税)
  • 譲渡所得税: 0〜数百万円(3000万円控除の適用で大幅軽減)
  • 登記費用・印紙税など: 約20〜30万円
  • 手元に残る金額: 約2,700〜2,800万円

売却のベストタイミングは、相続税申告期限の翌日から3年以内です。この期間内なら「取得費加算の特例」が使え、税負担を軽減できます。

実家を売却する前に確認したい3つの選択肢

親から実家を相続したとき、多くの方が「売却すべきか、残すべきか」と迷います。まずは3つの選択肢を比較して、ご自身の状況に最適な方法を検討しましょう。

売却する場合のメリット・デメリット

メリット:

  • まとまった現金が手に入る
  • 維持管理の負担がなくなる
  • 固定資産税の支払いが不要になる
  • 空き家リスク(倒壊、犯罪利用など)を回避できる

デメリット:

  • 思い出の詰まった実家を手放すことになる
  • 売却活動に時間がかかる(通常3〜6ヶ月)
  • 売却益に対して税金がかかる可能性がある

賃貸に出す場合のメリット・デメリット

メリット:

  • 毎月の家賃収入が得られる
  • 実家を残せる
  • 将来の選択肢を残せる

デメリット:

  • 入居者募集や管理の手間がかかる
  • 空室リスクがある
  • リフォーム費用が必要になることが多い
  • 古い建物は借り手が見つかりにくい

空き家のまま管理する場合のメリット・デメリット

メリット:

  • 実家を残せる
  • 将来の選択肢(売却、賃貸、自己使用)を保持できる

デメリット:

  • 年間15〜50万円の維持費がかかる
  • 管理不全空き家に認定されると固定資産税が最大6倍に
  • 建物の劣化で資産価値が下落する

空き家の維持管理については、「実家の空き家管理にかかる費用と手間を減らす方法」で詳しく解説しています。

どの選択肢が最適か?判断のポイント

以下の条件に多く当てはまる場合は、売却がおすすめです。

  • 実家に住む予定がない
  • 賃貸需要が低いエリア(地方など)
  • 建物が古く、リフォームに多額の費用がかかる
  • 管理のために定期的に訪問できない
  • まとまった資金が必要

相続した実家の売却手順:登記から確定申告まで【7ステップ】

相続した実家を売却するまでの流れを、7つのステップで解説します。全体の期間は6〜12ヶ月が目安です。

Step 1: 相続登記を行う(1〜2ヶ月)

実家を売却する前に、必ず相続登記を完了させる必要があります。2024年4月から相続登記が義務化され、相続開始から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科されます。

必要書類

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(相続人が複数の場合)
  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書

費用の目安

項目 費用
登録免許税 固定資産税評価額の0.4%
司法書士報酬 5〜10万円
戸籍収集費用 数千円〜1万円
合計 10〜15万円程度

相続登記の詳しい手続きについては、「実家の相続:名義変更の手続きと費用を徹底解説」をご覧ください。

Step 2: 不動産会社に査定を依頼する(2週間〜1ヶ月)

相続登記が完了したら、不動産会社に査定を依頼します。**複数の不動産会社(3〜5社)**に査定を依頼することをおすすめします。

査定の種類

簡易査定(机上査定):

  • 物件情報のみで算出
  • 数日で結果が出る
  • 無料

訪問査定:

  • 実際に物件を確認して算出
  • 1〜2週間で結果が出る
  • 無料

査定価格の見方

査定価格は不動産会社によって異なります。以下の点をチェックしましょう。

  • 路線価との比較(相続税評価額の約1.25倍が実勢価格の目安)
  • 周辺の成約事例との比較
  • 査定価格の根拠(どのようなデータを使っているか)

注意: 査定価格が極端に高い会社は、契約を取るために価格を釣り上げている可能性があります。複数社の査定を比較し、相場を把握しましょう。

Step 3: 媒介契約を結ぶ(1週間)

査定結果を比較した上で、信頼できる不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約の種類

契約形態 複数社への依頼 自己発見取引 レインズ登録 報告義務
専属専任媒介 × × 5日以内 1週間に1回以上
専任媒介 × 7日以内 2週間に1回以上
一般媒介 任意 なし

おすすめ: 相続物件の場合、専任媒介がバランスが良いです。積極的に販売活動をしてもらえる一方、自分で買い手を見つけた場合も対応できます。

仲介手数料の上限

仲介手数料は法律で上限が定められています。

売却価格 仲介手数料の上限(税別)
200万円以下 売却価格×5%
200万円超〜400万円以下 売却価格×4%+2万円
400万円超 売却価格×3%+6万円

: 売却価格3,000万円の場合

  • 3,000万円×3%+6万円=96万円(税別)
  • 税込: 105.6万円

Step 4: 売却活動を行う(3〜6ヶ月)

媒介契約後、不動産会社が売却活動を行います。

売却活動の内容

  • レインズ(不動産流通機構)への登録
  • 不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'Sなど)への掲載
  • チラシ・広告の作成・配布
  • 購入希望者への物件案内(内覧対応)

売り出し価格の設定

売り出し価格は、査定価格をベースに設定します。

値下げ交渉を見込んで、査定価格より5〜10%高めに設定するのが一般的です。ただし、高すぎる価格設定は売却期間の長期化につながります。

内覧対応のポイント

  • 室内を清掃し、不用品を処分する
  • 換気をして空気を入れ替える
  • カーテンを開けて明るくする
  • 庭の草刈りをする

古い実家でも、第一印象を良くすることで売却しやすくなります。

Step 5: 売買契約を締結する(1〜2週間)

購入希望者が見つかったら、売買契約を締結します。

契約時に必要なもの

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 登記識別情報(または権利証)
  • 本人確認書類

手付金の受け取り

売買契約時に、買主から手付金を受け取ります。手付金の相場は**売却価格の5〜10%**です。

: 売却価格3,000万円の場合、手付金は150〜300万円

契約不適合責任に注意

売却後、建物に欠陥(雨漏り、シロアリ被害など)が見つかった場合、売主は修繕費用を負担する責任があります(契約不適合責任)。

古い建物の場合、「契約不適合責任免責」の特約をつけることで、売却後のトラブルを回避できます。ただし、その分売却価格が下がる可能性があります。

Step 6: 決済・引き渡しを行う(1ヶ月)

売買契約から約1ヶ月後、残代金の決済と物件の引き渡しを行います。

決済日の流れ

  1. 残代金の受領(売却価格−手付金)
  2. 諸費用の支払い(仲介手数料の残金など)
  3. 所有権移転登記の申請
  4. 鍵の引き渡し

決済に必要なもの

  • 登記識別情報(または権利証)
  • 実印
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 本人確認書類
  • 固定資産税納税通知書

Step 7: 確定申告を行う(翌年2〜3月)

実家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。

重要: 3000万円控除などの特例を適用する場合、利益が出なくても確定申告が必須です。

確定申告に必要な書類

  • 確定申告書(分離課税用)
  • 譲渡所得の内訳書
  • 売買契約書のコピー
  • 取得費がわかる書類(購入時の契約書など)
  • 特例適用のための証明書類

確定申告の詳しい方法については、「確定申告前に確認!相続した不動産の売却益と税金」をご覧ください。

売却費用を3パターンで徹底比較:手元に残る金額はいくら?

実家を売却する際にかかる費用を、項目別に解説します。

売却にかかる費用一覧

費用項目 費用の目安 備考
仲介手数料 売却価格×3%+6万円+消費税 最大の費用
印紙税 1,000円〜6万円 売買契約書に貼付
登記費用 1〜3万円 抵当権抹消など
測量費 50〜100万円 境界確定が必要な場合
解体費 100〜300万円 更地で売却する場合
譲渡所得税 売却益の約15〜40% 特例で軽減可能
その他 数万円 引っ越し、清掃など

印紙税の金額

売買契約書に貼付する印紙税は、売却価格によって異なります。

売却価格 印紙税
100万円超〜500万円以下 1,000円
500万円超〜1,000万円以下 5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下 1万円
5,000万円超〜1億円以下 3万円

※軽減税率適用(2027年3月31日まで)

ケーススタディ1: 都市部の戸建て(売却価格3,000万円)

前提条件:

  • 売却価格: 3,000万円
  • 取得費: 1,000万円(購入時の価格)
  • 所有期間: 10年(長期譲渡所得)
  • 3000万円控除を適用

費用内訳:

費用項目 金額
仲介手数料 105.6万円
印紙税 1万円
登記費用 2万円
譲渡所得税 0円(控除適用後)
その他諸費用 10万円
費用合計 約120万円

手元に残る金額: 約2,880万円

譲渡所得税の計算:

  • 譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 = 3,000万円 − 1,000万円 − 110万円 = 1,890万円
  • 3000万円控除を適用 → 課税所得0円 → 税額0円

ケーススタディ2: 地方の古家(売却価格1,000万円)

前提条件:

  • 売却価格: 1,000万円
  • 取得費: 不明(概算取得費5%を適用)
  • 所有期間: 10年超(長期譲渡所得)
  • 3000万円控除を適用

費用内訳:

費用項目 金額
仲介手数料 39.6万円
印紙税 5,000円
登記費用 2万円
譲渡所得税 0円(控除適用後)
その他諸費用 10万円
費用合計 約52万円

手元に残る金額: 約948万円

ケーススタディ3: 更地にして売却(解体費用あり)

前提条件:

  • 土地の売却価格: 2,000万円
  • 解体費用: 150万円(木造30坪)
  • 取得費: 800万円
  • 3000万円控除を適用

費用内訳:

費用項目 金額
仲介手数料 72.6万円
解体費用 150万円
印紙税 1万円
登記費用 2万円
譲渡所得税 0円(控除適用後)
その他諸費用 10万円
費用合計 約236万円

手元に残る金額: 約1,764万円

解体すべきかの判断基準:

  • 建物が著しく老朽化している場合
  • 更地の方が買い手がつきやすいエリア
  • 解体費用を上回る売却価格上昇が見込める場合

売却時の税金対策【3つの控除・特例を活用する】

実家を売却すると、売却益に対して譲渡所得税がかかります。ただし、以下の特例を活用することで、税負担を大幅に軽減できます。

1. 3000万円特別控除(居住用財産の特例)

自分が住んでいた家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。

適用要件

  • 現在住んでいる家屋、または住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
  • 前年・前々年にこの特例を受けていない
  • 親子、夫婦など特別な関係者への売却でない
  • 仮住まいや別荘は対象外

注意: この特例は「自分が住んでいた家」を売却した場合に適用されます。相続した実家に相続人が住んでいない場合、この特例は原則として適用されません。ただし、「空き家特例(相続空き家の3000万円控除)」という別の制度で控除を受けられる場合があります(後述)。

2. 取得費加算の特例

相続した不動産を売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。

適用要件

  • 相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却
  • 相続税を支払っていること

加算できる金額の計算式

加算できる取得費 = 支払った相続税額 × (売却した不動産の相続税評価額 / 相続財産の総額)

: 相続税500万円を支払い、総額1億円の相続財産のうち2,000万円の実家を売却した場合

  • 500万円 × (2,000万円 / 1億円) = 100万円を取得費に加算

この100万円分、譲渡所得が減り、税負担が軽減されます。

重要: 取得費加算の特例と居住用財産の3000万円控除(マイホームの特例)は併用できません。これは、取得費加算の特例が「取得費」を増やす制度であり、3000万円控除が「譲渡所得」から直接控除する制度であるため、税制上の趣旨が異なるからです。どちらが有利かは、相続税の金額や譲渡所得の金額によって異なります。売却前に税理士に相談することをおすすめします。

3. 空き家特例(相続空き家の3000万円控除)

相続した空き家を売却した場合、一定の要件を満たせば3,000万円の特別控除が適用されます。

適用要件

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋
  • 相続開始直前まで被相続人が一人暮らし
  • 相続から売却まで空き家のまま(賃貸に出していない)
  • 耐震基準を満たすリフォーム、または更地にして売却
  • 2027年12月31日までに売却

注意点

  • 相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり2,000万円に減額(2024年1月以降の売却)
  • 耐震リフォーム費用は100〜200万円程度かかる

特例の選択フローチャート

どの特例を適用すべきか、以下のフローで判断できます。

  1. 相続税を支払っているか?

    • Yes → 取得費加算の特例を検討
    • No → 2へ
  2. 被相続人が住んでいた家を、住まなくなって3年以内に売却するか?

    • Yes → 3000万円控除を適用
    • No → 3へ
  3. 1981年5月以前の建物で、被相続人が一人暮らしだったか?

    • Yes → 空き家特例を検討
    • No → 特例適用なし(通常の譲渡所得税を支払い)

ポイント: 特例の適用可否や有利・不利の判断は複雑です。売却前に税理士に相談することを強くおすすめします。

相続後の最適な売却タイミング:特例を活かす期限とは

実家を売却するタイミングによって、税負担や売却価格が変わります。

相続税申告期限の翌日から3年以内がベスト

相続税を支払った場合、相続税申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日から3年以内に売却すると、「取得費加算の特例」が使えます。

: 2025年1月に相続開始した場合

  • 相続税申告期限: 2025年11月
  • 取得費加算の特例期限: 2028年11月

この期間を過ぎると、特例が使えなくなり、数十万円〜数百万円の税負担増になることがあります。

市況も考慮する

不動産価格は、エリアによって上昇・下落のトレンドがあります。

都市部: 2024年現在、マンション・土地価格は上昇傾向。急いで売る必要はないが、金利上昇の影響に注意

地方: 人口減少により地価は横ばい〜下落傾向。早期売却が有利なケースが多い

国土交通省の「不動産価格指数」を参考に、エリアの価格トレンドを確認しましょう。

売却を急ぐべきケース

以下の場合は、早期売却を検討しましょう。

  • 管理不全空き家に認定されるリスクがある: 固定資産税が最大6倍に
  • 建物の老朽化が進んでいる: 放置すると資産価値が大幅に下落
  • 維持管理の負担が大きい: 年間15〜50万円の維持費がかかり続ける
  • 相続人間でトラブルの懸念がある: 早期に現金化して分割した方が円満

共有名義の実家を売却する際の注意点

兄弟姉妹で実家を共有相続した場合、売却には特有の注意点があります。

共有者全員の同意が必要

共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要です(民法251条)。1人でも反対すると売却できません。

売却代金の分配

売却代金は、持分割合に応じて分配されます。

: 兄弟2人で1/2ずつ共有、売却価格3,000万円の場合

  • 費用控除後の手取り: 2,800万円
  • 兄: 1,400万円、弟: 1,400万円

3000万円控除は共有者それぞれに適用

共有名義で売却した場合、3000万円控除は共有者それぞれに適用できます。

: 兄弟2人で共有、売却価格4,000万円、取得費1,000万円の場合

  • 1人あたりの譲渡所得: (4,000万円 − 1,000万円) ÷ 2 = 1,500万円
  • 3000万円控除を適用 → 課税所得0円

共有者間でのトラブルを防ぐポイント

  1. 早めに売却方針を協議する: 売却か保有かを早期に決める
  2. 複数社に査定を依頼する: 売却価格の妥当性を共有者全員で確認
  3. 諸費用の負担方法を決めておく: 測量費や解体費の分担
  4. 書面で合意を残す: 口約束ではなく、売却方針の合意書を作成

共有名義の相続については、「共有名義不動産の相続」で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 相続登記をしないと売却できませんか?

A: はい、相続登記は必須です。2024年4月から相続登記が義務化され、相続開始から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科されます。売却前に必ず相続登記を完了させてください。

Q2. 兄弟で共有相続した実家を売却する場合、全員の同意が必要ですか?

A: はい、共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要です(民法251条)。1人でも反対すると売却できません。事前に売却方針を協議し、合意形成を図ることが重要です。

Q3. 3000万円控除はいつまで使えますか?

A: 「居住用財産の3000万円控除」は、現在住んでいる家屋、または住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却した場合に適用されます。相続した実家の場合、被相続人が住んでいた期間も含めて判断されます。

Q4. 売却にかかる期間はどれくらいですか?

A: 一般的に、相続登記から売却完了まで6〜12ヶ月程度です。内訳は、相続登記(1〜2ヶ月)、査定・媒介契約(1ヶ月)、売却活動(3〜6ヶ月)、売買契約から決済まで(1〜2ヶ月)です。

Q5. 古い実家はそのまま売れますか?解体が必要ですか?

A: 立地や建物の状態によります。都市部で更地需要が高い場合は解体した方が高く売れることもあります。一方、地方では解体費用が売却価格を上回る場合もあるため、そのまま売却する方が得策です。不動産会社に相談し、解体費用と売却価格への影響を比較してください。

Q6. 親が施設入所中ですが、実家を売却できますか?

A: 親が存命中は、親の同意があれば売却可能です。ただし、親が認知症などで判断能力がない場合は、成年後見人を立てる必要があります。親が死亡後は、相続手続きを経て相続人が売却します。

Q7. 売却益が出なかった場合、確定申告は不要ですか?

A: 売却益が出なかった場合(譲渡損失)、確定申告は義務ではありません。ただし、3000万円控除などの特例を適用する場合は、利益の有無にかかわらず確定申告が必須です。

Q8. 仲介手数料はいつ支払いますか?

A: 仲介手数料は、売買契約時に50%、決済・引き渡し時に**残り50%**を支払うのが一般的です。成功報酬型なので、売却が成立しなければ支払う必要はありません。

Q9. 測量は必ず必要ですか?

A: 隣地との境界が不明確な場合や、買主が希望する場合に測量が必要です。測量費用は50〜100万円程度かかりますが、境界を明確にすることでトラブルを防げます。

Q10. 売却後の確定申告はいつまでに行いますか?

A: 売却した年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行います。例えば、2025年に売却した場合、2026年2月16日〜3月15日が申告期限です。

まとめ

相続した実家を売却する際のポイントをまとめます。

売却の流れ(7ステップ)

  1. 相続登記(1〜2ヶ月)- 3年以内に義務化、10万円以下の過料あり
  2. 査定依頼(2週間〜1ヶ月)- 3〜5社に依頼して比較
  3. 媒介契約(1週間)- 専任媒介がおすすめ
  4. 売却活動(3〜6ヶ月)- 内覧対応で第一印象を良く
  5. 売買契約(1〜2週間)- 手付金を受領
  6. 決済・引き渡し(1ヶ月)- 残代金を受領
  7. 確定申告(翌年2〜3月)- 特例適用には申告必須

費用の目安(売却価格3,000万円の場合)

  • 仲介手数料: 約105万円
  • 譲渡所得税: 0〜数百万円(特例で軽減可能)
  • 登記費用・印紙税など: 約20〜30万円
  • 手元に残る金額: 約2,700〜2,800万円

税金対策のポイント

  • 3000万円控除: 被相続人が住んでいた家を3年以内に売却
  • 取得費加算の特例: 相続税申告期限の翌日から3年以内に売却
  • 空き家特例: 1981年以前の建物で被相続人が一人暮らし

売却のベストタイミング

  • 相続税申告期限の翌日から3年以内がベスト
  • 取得費加算の特例が使える
  • 維持費の累計と資産価値下落を考慮すると、早期売却が有利

実家の売却は複雑な手続きと税務知識が必要です。不明点がある場合は、不動産会社や税理士など専門家に相談することをおすすめします。

専門家への相談をおすすめするケース

以下のような場合は、税理士・司法書士・不動産鑑定士などの専門家に相談することをおすすめします。

  • 相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える
  • 売却益が出て譲渡所得税が発生する可能性がある
  • 3000万円控除や取得費加算の特例の適用可否を確認したい
  • 共有名義で売却方針が決まらない
  • 査定価格の妥当性を第三者に判断してほしい
  • 解体すべきか、そのまま売るべきか判断に迷う

当サイトでは、相続に精通した専門家のご紹介も行っています。お気軽にお問い合わせください。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・税務相談ではありません。相続に関する具体的な判断や手続きについては、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

また、法改正により内容が変更される可能性があります。最新の情報は国税庁・法務省などの公式サイトでご確認ください。

北原 崇寛

北原 崇寛

不動産鑑定士・宅地建物取引士

大手不動産鑑定会社で裁判鑑定・証券化案件・担保評価等を担当後、東証一部上場不動産会社にて不動産訴訟アドバイザリー、法律・税制面からの不動産有効活用コンサルティングに従事。2020年北原不動産鑑定士事務所開業。