相続の基礎知識

法定相続人の範囲と順位:配偶者・子・親・兄弟姉妹のケース別完全ガイド

法定相続人の範囲と順位:配偶者・子・親・兄弟姉妹のケース別完全ガイド
公開: 2025-11-15

この記事の結論

法定相続人の範囲と順位は民法で明確に定められています。配偶者は常に相続人となり、それ以外は第1順位(子・直系卑属)、第2順位(直系尊属)、第3順位(兄弟姉妹)の順で相続権を持ちます。相続登記義務化により、法定相続人の確定が必須となっているため、戸籍収集を早めに行い、相続人を正確に把握することが重要です。本記事では、配偶者・子・親・兄弟姉妹のケース別に、誰が相続人になるかを図解とともにわかりやすく解説します。

1. 法定相続人とは:民法で定められた相続権を持つ人

1-1. 法定相続人の定義

法定相続人とは、民法第887条から第890条で定められた相続権を持つ人のことです。亡くなった方(被相続人)の財産を相続できる人は、法律で明確に決められています。

遺言書がない場合、法定相続人が遺産を相続します。遺言書がある場合でも、法定相続人(兄弟姉妹を除く)は遺留分という最低限の相続権を持ちます。

1-2. 法定相続人と相続税の関係

法定相続人の数は、相続税の基礎控除額の計算に直結します。

基礎控除額の計算式:

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3)となります。相続財産がこの金額以下であれば、相続税はかかりません。

相続人の数が1人増えるごとに600万円控除額が増えるため、法定相続人の数を正確に把握することは節税の観点からも重要です。

なお、相続放棄をした人も基礎控除の計算上は相続人として数えます。

1-3. 相続登記義務化と法定相続人の確定

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に不動産の名義変更(相続登記)を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記を行うには、法定相続人全員を確定する必要があります。遺産分割協議書を作成する際も、法定相続人全員の合意が必要です。

戸籍収集による相続人確定には時間がかかるため、早めに着手することをおすすめします。

2. 相続順位の基本ルール:配偶者と血族相続人

2-1. 配偶者の特別な地位

配偶者は常に相続人になります。これは、他の相続人の順位に関係なく認められる特別な地位です。

ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 法律上の配偶者のみ: 婚姻届を提出している配偶者のみが相続人となります。内縁関係(事実婚)の場合は相続権がありません。
  • 別居中でも相続人: 別居していても、婚姻関係が続いていれば相続人です。
  • 離婚した元配偶者は相続人ではない: 離婚が成立すれば、元配偶者の相続権は失われます。

2-2. 血族相続人の3つの順位

配偶者以外の血族相続人には、3つの順位があります:

第1順位: 子および直系卑属(孫、ひ孫)

子がいる場合、子が相続人となります。子が被相続人より先に亡くなっている場合は、孫が代襲相続します。

第2順位: 直系尊属(父母、祖父母)

第1順位の相続人がいない場合に、親が相続人となります。父母が既に亡くなっている場合は、祖父母が相続人となります。

第3順位: 兄弟姉妹(甥・姪)

第1順位・第2順位の相続人がいない場合に、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、甥・姪が代襲相続します(1代限り)。

2-3. 順位の排他性:上位がいれば下位は相続人にならない

相続順位には排他性があります。上位の順位に相続人がいる場合、下位の順位の人は相続人になりません。

  • 第1順位(子)がいる場合、第2順位(親)と第3順位(兄弟姉妹)は相続人になりません
  • 第1順位がいなくても第2順位(親)がいる場合、第3順位(兄弟姉妹)は相続人になりません
  • 第1順位・第2順位がいない場合のみ、第3順位(兄弟姉妹)が相続人になります

ただし、相続放棄をした場合は例外です。第1順位の子が全員相続放棄をすると、第2順位の親が相続人になります。

3. 法定相続分の計算方法:パターン別に解説

法定相続分とは、民法で定められた各相続人の取り分の割合です。遺産分割協議の際の目安となります。

3-1. 配偶者と子がいる場合

最も一般的なパターンです。

  • 配偶者: 1/2
  • 子全体: 1/2(子が複数の場合は均等分割)

: 配偶者1人、子2人の場合

  • 配偶者: 1/2
  • 長男: 1/4
  • 次男: 1/4

3-2. 配偶者と直系尊属(親)がいる場合

子がいない場合、親が第2順位の相続人となります。

  • 配偶者: 2/3
  • 直系尊属全体: 1/3(父母が両方いれば均等分割)

: 配偶者1人、父母2人の場合

  • 配偶者: 2/3
  • 父: 1/6
  • 母: 1/6

3-3. 配偶者と兄弟姉妹がいる場合

子も親もいない場合、兄弟姉妹が第3順位の相続人となります。

  • 配偶者: 3/4
  • 兄弟姉妹全体: 1/4(複数いれば均等分割)

: 配偶者1人、兄弟2人の場合

  • 配偶者: 3/4
  • 兄: 1/8
  • 弟: 1/8

3-4. 配偶者のみ、子のみ、親のみ、兄弟姉妹のみの場合

単独で相続する場合、その相続人が全部を相続します。

  • 配偶者のみ: 配偶者が全部相続
  • 子のみ: 子が全部相続(複数いれば均等分割)
  • 親のみ: 親が全部相続(父母両方いれば均等分割)
  • 兄弟姉妹のみ: 兄弟姉妹が全部相続(複数いれば均等分割)

3-5. 法定相続分はあくまで「目安」

法定相続分は強制ではありません。遺産分割協議で相続人全員が合意すれば、自由に変更できます。

例えば、以下のような分割も可能です:

  • 配偶者が全部を相続する
  • 長男だけが不動産を相続する
  • 均等ではなく、介護をした子の取り分を増やす

遺産分割協議書に全員が署名・押印すれば、どのような分割方法でも有効です。

ただし、不動産を複数人で共有名義にすると、将来の売却や賃貸時に全員の同意が必要になります。できるだけ単独名義にすることで、将来のトラブルを防ぐことができます。

4. ケース別シミュレーション:複雑な家族構成の場合

4-1. ケース1: 配偶者と子2人(最も一般的なパターン)

家族構成:

  • 配偶者: 妻
  • 子: 長男、次男

相続人:

  • 妻、長男、次男(3人)

法定相続分:

  • 妻: 1/2
  • 長男: 1/4
  • 次男: 1/4

実務上のポイント:

実家不動産をどう分けるかが最大の課題です。不動産の評価額を正確に算定し、代償分割(不動産を取得する人が他の相続人に金銭を支払う)や換価分割(不動産を売却して現金で分ける)を検討することが重要です。

4-2. ケース2: 再婚で前妻の子と後妻がいる場合

家族構成:

  • 現在の配偶者: 後妻
  • 前妻との子: 1人
  • 後妻との子: 1人

相続人:

  • 後妻、前妻の子、後妻の子(3人)

法定相続分:

  • 後妻: 1/2
  • 前妻の子: 1/4
  • 後妻の子: 1/4

注意点:

前妻の子も法定相続人です。両親の離婚後も、被相続人の実子である限り相続権は失いません。

ただし、再婚相手の連れ子(養子縁組をしていない)は相続人になりません。連れ子を相続人にしたい場合は、養子縁組が必要です。

4-3. ケース3: 子が先に亡くなっている場合(代襲相続)

家族構成:

  • 配偶者: 妻
  • 子(既に死亡)
  • 孫: 2人

相続人:

  • 妻、孫2人(3人)

法定相続分:

  • 妻: 1/2
  • 孫A: 1/4
  • 孫B: 1/4

代襲相続の仕組み:

子が被相続人より先に死亡している場合、孫が子の相続権を代わりに引き継ぎます(代襲相続)。

孫の法定相続分は、本来子が受け取るはずだった1/2を孫の人数で均等に分けます。

4-4. ケース4: 養子縁組をしている場合

家族構成:

  • 配偶者: 妻
  • 実子: 1人
  • 養子: 1人

相続人:

  • 妻、実子、養子(3人)

法定相続分:

  • 妻: 1/2
  • 実子: 1/4
  • 養子: 1/4

養子の相続権:

養子は実子と同じ相続権を持ちます。法定相続分も同じです。

ただし、相続税の基礎控除額の計算では制限があります:

  • 実子がいる場合: 養子1人まで算入
  • 実子がいない場合: 養子2人まで算入

4-5. ケース5: 子がおらず親と兄弟姉妹がいる場合

家族構成:

  • 配偶者: 妻
  • 親: 母(存命)
  • 兄弟姉妹: 兄、妹

相続人:

  • 妻、母(2人)

法定相続分:

  • 妻: 2/3
  • 母: 1/3

ポイント:

第2順位の親がいる場合、第3順位の兄弟姉妹は相続人になりません。順位の排他性により、上位の順位に相続人がいれば、下位の順位の人は相続できません。

4-6. ケース6: 配偶者と兄弟姉妹のみ(親も子もいない場合)

家族構成:

  • 配偶者: 妻
  • 兄弟姉妹: 兄、妹

相続人:

  • 妻、兄、妹(3人)

法定相続分:

  • 妻: 3/4
  • 兄: 1/8
  • 妹: 1/8

兄弟姉妹の代襲相続:

兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、甥・姪が代襲相続します。ただし、代襲相続は1代限りです(子の代襲は無制限ですが、兄弟姉妹の代襲は甥・姪まで)。

5. 代襲相続の仕組み:子・兄弟姉妹が先に亡くなった場合

5-1. 代襲相続とは

代襲相続とは、相続人となるべき人(子・兄弟姉妹)が被相続人より先に死亡している場合、その子(孫・甥姪)が代わりに相続権を持つ制度です。

被相続人より先に亡くなった人がいても、その人の子どもが相続権を引き継ぐことで、相続の公平性を保つことができます。

5-2. 代襲相続の範囲

代襲相続の範囲は、相続人の順位によって異なります:

子の代襲: 孫 → ひ孫 → ……(無制限)

子が被相続人より先に亡くなっている場合、孫が代襲相続します。孫も亡くなっている場合は、ひ孫が代襲相続します。子の系統では、代襲相続は無制限に続きます。

兄弟姉妹の代襲: 甥・姪まで(1代限り)

兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合、甥・姪が代襲相続します。ただし、甥・姪も亡くなっている場合、その子(甥姪の子)は代襲相続できません。兄弟姉妹の代襲相続は1代限りです。

5-3. 代襲相続と相続放棄の違い

代襲相続と相続放棄は、しばしば混同されますが、全く異なる制度です:

代襲相続:

  • 相続人が被相続人より先に死亡している場合(相続開始前)
  • その人の子が相続権を引き継ぐ

相続放棄:

  • 相続人が相続を放棄した場合(相続開始後)
  • 代襲相続は発生しない(その人は初めから相続人でなかったとみなされる)

例えば、子が相続放棄をした場合、その子(孫)に代襲相続は発生しません。相続放棄をすると、その人は初めから相続人でなかったことになるため、次の順位(親や兄弟姉妹)に相続権が移ります。

6. よくある誤解と注意点

6-1. 配偶者は単独相続ではない

「配偶者は常に相続人」という言葉から、配偶者が全部を相続すると誤解されることがあります。

しかし、配偶者が単独で全部を相続するのは、子・親・兄弟姉妹が全くいない場合のみです。

他に相続人がいれば、配偶者は他の相続人と共同で相続します。

6-2. 内縁の妻(夫)は相続権がない

事実婚(内縁関係)のパートナーには、法律上の相続権がありません。

どれだけ長く一緒に暮らしていても、婚姻届を提出していなければ、法定相続人にはなりません。

内縁のパートナーに財産を残したい場合は、以下の対策が必要です:

  • 遺言書を作成して財産を遺贈する
  • 生前贈与を行う
  • 生命保険の受取人に指定する

ただし、遺留分を侵害すると他の相続人とトラブルになる可能性があるため、専門家に相談することをおすすめします。

6-3. 連れ子は養子縁組しないと相続権がない

再婚相手の連れ子は、自動的に相続人にはなりません。

血縁関係がないため、養子縁組をしない限り、法定相続人にはなりません。

連れ子を相続人にしたい場合は、養子縁組の手続きが必要です。養子縁組をすれば、実子と同じ相続権を持ちます。

6-4. 法定相続分通りに分けなくても良い

法定相続分は、あくまで目安です。相続人全員が合意すれば、自由に変更できます。

以下のような分割も可能です:

  • 配偶者が全部を相続する
  • 長男だけが不動産を相続する
  • 介護をした子の取り分を増やす
  • 法定相続分とは異なる割合で分ける

遺産分割協議書に相続人全員が署名・押印すれば、どのような分割方法でも有効です。

6-5. 相続放棄をすると次の順位に移る

相続放棄をすると、その人は初めから相続人でなかったとみなされます。

そのため、以下のように次の順位に相続権が移ります:

  • 第1順位の子が全員相続放棄 → 第2順位の親が相続人に
  • 第2順位の親も相続放棄 → 第3順位の兄弟姉妹が相続人に

負債が多い場合、自分が相続放棄をすると次の順位の人に迷惑をかける可能性があります。事前に連絡しておくことが重要です。

7. 不動産相続における法定相続人の重要性

7-1. 不動産の共有名義はトラブルの元

法定相続分通りに不動産を共有名義にすると、将来的にトラブルの原因になることがあります。

共有名義の問題点:

  • 売却時に全員の同意が必要
  • 賃貸する際も全員の同意が必要
  • 共有者が亡くなると、その相続人も共有者に加わる(共有者が増え続ける)
  • 意見が合わず、不動産が塩漬けになる

実務では、できるだけ単独名義にすることを推奨します。代償分割(不動産を取得する人が他の相続人に金銭を支払う)や換価分割(不動産を売却して現金で分ける)を検討しましょう。

7-2. 不動産評価額による相続税への影響

不動産が相続財産の大部分を占める場合、評価額が相続税に直結します。

法定相続人の数で基礎控除額が変わるため(600万円×人数)、相続人の数を正確に把握することが重要です。

また、小規模宅地等の特例の適用可否も、法定相続人によって変わります。配偶者や同居していた子が相続する場合、一定の要件を満たせば土地の評価額を最大80%減額できます。

7-3. 相続登記義務化と法定相続人の確定

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記を行うには、法定相続人全員を確定する必要があります。遠方や疎遠な相続人がいる場合、連絡を取るのに時間がかかります。

早めの戸籍収集と相続人確定が重要です。

8. 法定相続人の確認方法:戸籍収集の手順

8-1. 必要な戸籍の種類

法定相続人を確定するには、以下の戸籍が必要です:

被相続人の戸籍:

  • 出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 転籍や婚姻により、複数の市区町村にまたがることが多い

相続人全員の現在戸籍:

  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

代襲相続の場合:

  • 死亡した相続人(子・兄弟姉妹)の戸籍も必要

8-2. 戸籍収集の流れ

ステップ1: 被相続人の最後の本籍地の市区町村で戸籍謄本を取得

最後の本籍地がわからない場合は、住民票の除票(本籍地記載)を取得して確認します。

ステップ2: 出生までさかのぼって転籍・婚姻前の戸籍を収集

戸籍謄本に「前の本籍地」が記載されているので、その市区町村で前の戸籍を取得します。これを出生時まで繰り返します。

ステップ3: 相続人全員の現在戸籍を取得

相続人全員の現在の戸籍謄本を取得します。

ステップ4: 法定相続情報証明制度を利用(推奨)

法務局で法定相続情報証明を取得すると、以降の手続き(銀行、証券会社、不動産登記など)で戸籍謄本の束を何度も提出する必要がなくなります。

8-3. 専門家への依頼を検討すべきケース

以下のような場合は、司法書士などの専門家に戸籍収集を依頼することを検討しましょう:

  • 戸籍が複数の市区町村にまたがる場合
  • 相続人が多数にわたる場合
  • 海外在住の相続人がいる場合
  • 相続登記の期限(3年)が迫っている場合
  • 戸籍の読み取りが難しい(古い戸籍は手書きで判読が困難)

専門家に依頼すると、戸籍収集から相続登記までスムーズに進めることができます。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 配偶者が再婚の場合、前妻の子も相続人になりますか?

はい、前妻の子も法定相続人になります。被相続人の実子である限り、母親との離婚後も相続権は失いません。ただし、養子縁組をしていない再婚相手の連れ子は相続人になりません。

Q2. 内縁の妻(夫)に財産を残す方法はありますか?

内縁関係では相続権がないため、遺言書を作成して財産を遺贈する、または生前贈与を行う必要があります。ただし、遺留分を侵害すると他の相続人とトラブルになる可能性があるため、専門家に相談することをおすすめします。

Q3. 相続放棄をすると、次の順位の人が相続人になりますか?

はい。第1順位の子が全員相続放棄をすると、第2順位の親が相続人になります。第2順位の親も放棄すると、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。負債が多い場合、次の順位の人に迷惑をかけないよう、事前に連絡しておくことが重要です。

Q4. 法定相続分通りに分けないといけませんか?

いいえ、法定相続分はあくまで目安です。相続人全員が合意すれば、自由に分割方法を決めることができます。遺産分割協議書にまとめて、相続人全員が署名・押印すれば有効です。

Q5. 養子は何人まで相続人になれますか?

民法上は養子の人数に制限はありません。ただし、相続税の基礎控除額の計算では、実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までしか算入できません。

Q6. 孫に直接相続させることはできますか?

通常、孫は相続人になりません(代襲相続の場合を除く)。孫に財産を残したい場合は、遺言書で遺贈するか、養子縁組をする方法があります。ただし、遺留分を侵害すると他の相続人とトラブルになる可能性があります。

Q7. 相続人が海外在住の場合、どうすればいいですか?

海外在住でも法定相続人であることに変わりはありません。遺産分割協議書への署名は、日本領事館でのサイン証明や印鑑証明に相当する書類が必要です。国際郵便でのやり取りになるため、時間に余裕を持って手続きを進めることが重要です。

Q8. 相続人の中に認知症の人がいる場合、どうすればいいですか?

認知症で判断能力がない場合、成年後見人を立てる必要があります。成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加します。家庭裁判所への申立てが必要なため、早めに専門家(司法書士・弁護士)に相談しましょう。

10. まとめ

法定相続人の範囲と順位は民法で明確に定められています。配偶者は常に相続人となり、血族相続人は第1順位(子・孫)、第2順位(親・祖父母)、第3順位(兄弟姉妹・甥姪)の順で相続権を持ちます。

相続登記義務化により、相続を知った日から3年以内に法定相続人を確定し、登記する必要があります。戸籍収集による相続人確定は時間がかかるため、早めに着手することが重要です。

法定相続分は目安であり、相続人全員の合意があれば自由に変更できます。特に不動産相続では、共有名義を避け、できるだけ単独名義にすることで将来のトラブルを防ぐことができます。

複雑な家族構成や不動産が多い場合は、専門家(司法書士・弁護士・税理士)への早期相談をおすすめします。

次に読むべき記事

法定相続人を確定した後は、以下の記事も参考にしてください:

専門家への相談をおすすめするケース

以下のような場合は、弁護士・税理士・司法書士などの専門家に相談することをおすすめします:

  • 相続人の数が多く、戸籍収集が複雑な場合
  • 再婚・養子縁組など家族構成が複雑な場合
  • 海外在住の相続人がいる場合
  • 相続人の中に認知症や未成年者がいる場合
  • 不動産の評価額に争いがある場合
  • 相続登記の期限(3年)が迫っている場合

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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・税務相談ではありません。

また、法改正により内容が変更される可能性があります。最新の情報は国税庁法務省などの公式サイトでご確認ください。

北原 崇寛

北原 崇寛

不動産鑑定士・宅地建物取引士

大手不動産鑑定会社で裁判鑑定・証券化案件・担保評価等を担当後、東証一部上場不動産会社にて不動産訴訟アドバイザリー、法律・税制面からの不動産有効活用コンサルティングに従事。2020年北原不動産鑑定士事務所開業。